混合診療とは健康保険が適用される診療と健康保険が適用されない診療の組み合わせになります。
しかし多くの人が健康保険と保険外の診療を組み合わせることができるのか、費用はどのように負担となるのか気になるところでしょう。
混合診療で知っておきたい事
- 混合診療は厚生労働省によって認められた保険診療とまだ承認されていない保険外診療の組み合わせですから、3割負担の診療と全額自己負担の診療を一緒に受けることになります。
では費用の負担はどうなるのかと言うと、厚生労働省によって保険外診療の分を患者に請求してはいけないことが定められています。
万が一患者に請求した場合、初診まで遡って保険診療も含めて全額自己負担しなければなりません。
厚生労働省によって別途自己負担が認められているのは差額ベッド代や食事代だけです。
海外と日本の混合診療の違いとは?
日本では保険給付外診療との併用が基本的に認められていませんので、通常は公的医療保険が適用され、それ以外の自由診療が加われば一連の治療費は保険組合に支払い義務はなく、医療機関の全額自己負担となって患者側に支払う義務は生じません。
海外、特に医療先進国と呼ばれる国々ではどのようになっているのかというと、イギリスやカナダの場合は混合診療が禁止されています。
一方でフランスは医療範囲が明確化されており、保険対象外でも受けられる医療が決められています。
さらにフランス医薬品庁が許可すれば未承認薬を使うことも可能となるCU制度を導入しており、このCU制度はオーストラリアやスイス、デンマーク、スペインでも適用されています。
オーストラリアの場合は税方式となっているのですが、混合診療が認められており、スイスは強制保険でも患者が告知することで強制保険でまかなわれない医療を受けることができます。
実は日本で混合診療が禁止されたのは1984年のことで、保険医療機関及び療養担当規則第18条に記載されています。
それまでは混合診療について触れた法律はまったくなかったのです。
日本医師会の意見としては混合診療に反対となっており、これは医療が社会的共通資本であるという考え方に基づくものです。
国民の生命、健康をハイレベルで守ることができるよう、すべての国民に平等で公平な医療が提供できるようにすることが先決だと言います。